忍者ブログ
昔読んだ本とか昨日読み終わった本とか今読んでる本とか。あと艦これ
[332] [331] [329]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今年に入ってからいい感じに活字中毒化してきてるので、折角だから読んだ本の話の感想でもまとめてみようと思います。

さて、感想を書くといってもじゃあどの本について書いてみようかと、色々好きな本、最近読んだ本を思い返してみるんですが、どうせならちゃんと完結した作品がいいなぁ…ってことで、一番直近に、しかも最終巻を読み終わらせた作品について書くことにします。

『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』 全10巻

著者の福井晴敏氏は、最早説明不要な位には知名度が有ると個人的に思っているので、その辺の説明は省略しますね。

「あの福井晴敏がオリジナルのガンダム作品を書く。しかも舞台は宇宙世紀だ!」というニュースを知ったときの驚きと興奮と言ったら、もう凄いものでしたね。それまでにもガンダム小説は沢山刊行されてましたし、僕も何冊かは読んだことがありました。

しかし、そういったガンダムの小説化作品は、言い方は悪いですけどやはり二流というか、あまり名前の知られない作家さんが書いていることが多かったです。あ、冨野著の作品はある意味別ですけどね、ガンダム的に。

そんな中、ガンダムUCは第一線で活躍している作家が書く初めてのオリジナルガンダム小説だった訳です。…ちなみに福井晴敏氏はその前にもターンエーの小説書いてますが、まぁあれは原作アニメがあるんで、完全オリジナルとしてはUCが初って事で。

ガンダムUCの特殊性というか特別感もう一つ表すなら、この作品がガンダムの正史、所謂「宇宙世紀」作品であることが大きいでしょう。ガンダムファンじゃない人にとっては本当にどうでも良い事ですが、UCの舞台は宇宙世紀0096、つまり逆襲のシャアから3年後が舞台になっているのです。

これの何が凄いかというのを書きだすと長くなるうえにガンダム知らない人にはぶっちゃけどうでも良い話なんで、すごい簡単に例えるとー

スターウォーズのEp7をジョージ・ルーカスじゃない人が作っちゃったよ!

位には衝撃的な事なのです。ま、ガンダムファンにとってはですけどね。

さてさて、前置きはこれ位にして肝心の中身についての感想に入らねばなりません。このガンダムUCという作品、取りあえずざっくり流れを説明するなら

宇宙世紀の始まりから存在し、世界の在り様そのものを覆してしまう力とされている「ラプラスの箱」。その箱を解放する鍵であるユニコーンガンダムに偶然乗り込んでしまったバナージ・リンクスは、箱とユニコーンガンダムをめぐる連邦、ネオジオンの戦いに否が応にも巻き込まれていくーー

みたいな、何かこれだけ書くとありきたり過ぎて不安になるような粗筋になってしまうんですが、実際にはニュータイプの覚醒とか各勢力内の軋轢とかバナージの成長とかシャアの再来とかおっさんの死とかおっさんの死とかおっさんの涙とか、まぁ色々見どころはあるのです。

流石は亡国のイージスやローレライで兵器関係の綿密な描写に定評のある福井晴敏氏だけあって、MSだけでなく艦隊戦の戦闘描写、またそれに搭乗するクルー達も細やかに表現されているのが個人的には好きですね。ロボットアニメとして普通ならモブとして扱われたり、描写を削られたりする部分もしっかり書かれているのは、この作品をガンダムでありながら紛れもなく福井作品たらしめている部分だと思います。

あとおっさん。おっさんがいちいちカッコいいのもやはり福井作品らしい部分でしょう。それも超人的なカッコよさではなくて、泥臭いし人間臭い、弱くてカッコ悪い部分も沢山持ってる、それでも最終的にカッコいいおっさんになってしまうのだから、ガンダムUCは主人公達若者の成長物語だけでなく、もう打ち止めになったはずのオヤジ達がさらに前へ進んで行く物語でもあるのです。世のおっさん好きにはぜひ読んでいただきたい。

もちろん主人公であるバナージが、甘ったれから色々なものを乗り越え、いろんなオヤジから学び、精神的に成長を遂げる話であり、ヒロインのオードリーとのボーイミーツガールであり、人類の調和やニュータイプの可能性などなど、ガンダム正史を背負って立てるだけの説得力の詰め込まれた作品でもあります。終わり方に賛否両論あるのもある意味ガンダムらしいですしね。

若干説教臭い感じがしないでもないですが、それも富野イズムを受け継いだオヤジから、若い世代のガンダムファンへのメッセージであると捉えれば、この作品はまさにこれまで富野以外の作品が打ち破れなかった、新たなガンダムの「可能性」なのです。

…などと何だか大層な感じにまとめてしまいましたが、ぶっちゃけ質の高いロボット物小説であり、ジュブナイルであり、おっさん賛歌である、それだけでこの作品に触れる価値は十二分にある、そんな作品でした。

あとアニメ版最終話も楽しみ過ぎてヤバいね。



































……なんか凄い絶賛してる割に完読するまで7年もかかってしまってるのはヒミツだ!
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
ぶるっちゃ
性別:
男性
職業:
土器職人
趣味:
本読み
自己紹介:
本読んだり本読んだり本読んだり艦これしたり

今年読んだ本ベスト(暫定)「know 野崎まど」

好きな作家(日本人)

神林長平
伊藤計劃
小川一水
冲方丁
野崎まど
秋山瑞人  …順不同、思いついたら追加予定
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
カウンター